Knox Media Hub × Venera Quasar
クラウドQCの活用と統合事例のご紹介
近年、放送業界ではクラウド技術の導入が加速しており、番組制作からアーカイブ管理、配信まで、その活用範囲は急速に広がっています。従来のオンプレミス型システムでは対応が難しかった柔軟性や即応性が求められる中、多くの放送局がクラウドを活用した運用へと移行し、実際の業務効率や災害対策、コスト最適化といった具体的な成果を上げています。
また、これまで人手に依存していた、番組素材の取り込みからQC(品質チェック)、トランスコード、納品までの一連のプロセスが、クラウドベースの統合システムによって効率化されつつあります。
本コラムでは、QCを中心に据え、欧州のテレビ局にて実際に導入されたクラウドベースのメディアプラットフォームとQCソリューションの統合事例をご紹介します。
スピード、柔軟性、拡張性——Knox Media Hub × Quasar
Knox Media Hub(ノックス・メディア・ハブ)は、映像素材の取り込みから配信までを一元管理できるクラウドベースのメディア・プラットフォームです。今回、Venera社のファイルベースQCソリューション「Quasar(クエーサー)」と連携したことで、人為的な作業を最小限にしながら映像・音声に対する品質チェック作業を自動化することが可能になりました。さらに、複数のアプリケーションを切り替える手間が省けるため、作業効率の向上が期待できます。
インテグレーションの概要
Quasarは、AWS認証を受けた業界初のネイティブクラウド型自動QCソリューションです。4K、HDR、Dolby Atmos、IMF/DCP、など、最新フォーマットに対応し、多彩な検査項目を標準搭載しています。放送局や配信プラットフォームが求める厳格な納品要件にも、クラウド上で柔軟かつ確実に対応します。
Knox Media Hubは、放送局や制作現場におけるすべてのメディア資産を一元管理できる、統合型ソリューションです。操作性に優れたインターフェースで、ひとつのブラウザタブから、素材の取り込み、プレビュー、管理、変換、ワークフローの自動化、配信までをスムーズに行えます。制作から放送・配信まで、メディア・サプライチェーン全体を通じて、効率的な運用を実現します。
主な特長
クリップボードからのダイレクトアクセス:ユーザーはKnox Media Hub上でコンテンツを選択し、Quasarのあらかじめ用意されたQCテンプレートを適用することで、分析を即時に開始できます。QC結果は、そのコンテンツに添付されたレポートとして受け取ることが可能です。
ワークフロー:Knox Media Hub のオーケストレーション機能を活用することで、ユーザーはQC工程をワークフロー内に自動的に組み込むことが可能となり、メディア処理全体の効率化と品質の一貫性を両立できます。
レポートとモニタリング:Quasarで実行されたすべてのQCチェックの詳細データに、Knox Media Hubのパネルから直接アクセス可能です。このパネルでは、すべてのQC実行履歴とその結果(正常完了またはエラー検出)を一覧で確認でき、各QC処理の詳細な内容も確認できます。
すべての工程で“安心の品質”を。Quasarで、メディアQCをよりスマートに
VeneraのクラウドネイティブQCソリューション「Quasar」は、ファイルの取り込みから最終納品に至るまで、あらゆる段階でコンテンツの品質を確実にチェックします。柔軟にカスタマイズ可能なQCテンプレートを備え、スタジオ、ポストプロダクション、VoD配信事業者、放送局など、あらゆるメディア業界のニーズに対応します。
Amazon Prime、Hulu、Netflix、iTunesなどの主要プラットフォーム向けに最適化されたテンプレートも標準搭載。要件に合わせてカスタマイズすることで、各配信先へのスムーズな納品をサポートします。
さらに、Knox Media HubとQuasarは、どちらもクラウドベースかつAPIファーストで設計されており、シームレスに連携します。これにより、放送事業者はインフラ整備の心配なく、大量のコンテンツに対して即時アクセス・即時処理が可能となります。クラウド上での柔軟かつ高速な運用が実現し、効率的なワークフローを支援します。
ビジネス価値
スケーラビリティ:処理したいコンテンツのボリュームに応じて、QC(品質管理)業務を柔軟かつスムーズに拡張できます。常に最適なパフォーマンスを実現します。
迅速かつ効率的な運用:VeneraのスピーディーなQC処理により、ファイル転送を伴わずにQCワークフローのすべての工程を自動化できます。
直観的な操作性:APIファースト設計により、専門知識がなくても導入・運用が可能です。
多様な部署やユースケースに対応可能な柔軟性を備えたプラットフォームです。
クラウドネイティブ型ソリューション:柔軟性・セキュリティ・高可用性を備えたSaaS型クラウドネイティブワークフローで、インフラの負担を解消しつつ、運用コストの最適化を実現します。
今回のKnox Media Hubとのインテグレーションを参考に、「QCを自動化して作業負荷を減らしたい」「納品要件をしっかりクリアしたい」「今のクラウドベースワークフローにQCを組み込みたい」そんなお悩みやご要望がありましたら、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。
This blog is originally been published on Venera’s website. Please check here .